梶山様と歩んだ日々

先日、梶山様の息子様夫婦、所長、また他部署の職員も交え、梶山様に関わらせてもらった日々を皆で振り返るという新しい試みの場に、ユニット職員を代表して出席させていただきました。
梶山様の安らかな最期の顔を拝見し、安心、満足していただけていたのかな・・と多少なりとも思う反面、器が大きく、いつも笑顔でそして怒ることも無く、口数の少ない梶山様・・そのやすらかな顔は、配慮の足らなかった職員への優しさから作って下さってくれているものなのかな・・とも感じています。
梶山様の一番の生活での楽しみは、何より毎週日曜日、息子さまとの外出でした。
忙しい合間を縫って、いつも会いに来てくれる息子さまの思い、行動に、梶山さんは心底安心していたし、生きがいとも話されていました。
昔好きだったラーメンも食べれなくなり、ビールも飲まなくなり、パチンコも打たなくなり、そんな中でも息子様との外出は、梶山様にとって何事にも代えがたいビッグイベントでした。
介護職員として、一人の人間として、身の回りのお手伝いは出来ていても、どれだけ梶山様の心の中に入り込めたのか・・自問自答ばかりが脳裏をよぎりますが、初詣や、花見、バザーなど、外出の際は凄く素敵な笑顔をされていたのは鮮明に覚えています。
女性職員が大好きで、普段は居室で寝ていたい時間も、女性と接している時はニコニコされていて、お坊さんという仕事に就かれていたなかでも、そんな男らしさを垣間見ることができ、ああ・・これが梶山様らしさなんだねと皆で笑って話していたのはいい思い出です。
今回、梶山様に関わらせていただいて強く感じたのは、ご家族の存在、力の大きさでした。日々の関わり、ご家族様への聞き取り、梶山様自身からのお話などから、少しでも梶山様について知りたい、もっといい関わりが出来る様にしたい・・と思い関わっていましたが、ご家族様のお力なしでは、梶山様のあの毎日の笑顔や安心感、そして最後のあの安堵の笑顔は絶対に引き出せなかったと思います。
私含め、職員一同、これからも精一杯ひとりひとりのご利用者様に向き合い、よりよい信頼していただける関係を築く努力をするのと共に、ご家族様にもお力添えをいただき、心底楽しく安心して頂ける生活を提供していけるよう頑張っていきたいと思います。 
梶山様と歩んだ日々01梶山様と歩んだ日々02梶山様と歩んだ日々03
3階介護課 西 賢一郎